15th 。『空色』

空色に白が溶ける。淡く、緩やかに、滲み、消える。
透き通った空色は淡い白と同化して薄くなる。
薄くなった空色は空色と同化して元の空色に近くなる。
はっきりした白は少しずつ風に流されて消えて逝く。
静かにゆっくりと。でも、時間をかけて確実に。
消える直前の白は霧の様に儚い。
それはこれから逝く僕の様に。それは覚めてしまった夢の様に。
泡は弾け、周りと同化する。
それもまた儚い。
壊れた僕は消え逝く。
空に溶けた雲は綺麗な空になった。
消える僕も、溶ける僕も、綺麗な空になろう。
さようなら、また明日。
いつか逢う日まで。